6月1日大手企業の採用面接が解禁された。
5月までに4割の学生が内定を持っている状態で今更面接解禁と言われてもピントは来ないが、実質的にはこの日から内定が出る。
これから2週間以内で大手企業は概ね内定を出し尽くす。
すると採用市場には2つの現象が起こることになる。
1つは「ドリームクラッシュ」
大手企業への就職を夢見て就職活動をしてきた学生の「夢」が破れることを言う。
19年新卒者が10万人、対して大手上場企業の求人は2万人。
10万人全てが大手志望ではないにしても実質5倍の競争率。
という事は、6月の下旬には8万人の「夢」破れた学生が採用マーケットに残ることになる。
この8万人の学生は失意の中、中堅企業へと志望を移していく。
できるだけ規模が大きく、メジャーな企業を探して就職活動は続く。
中小、ベンチャーへの就職を希望する人材はごく一部だ。
就職先を規模や知名度で決める傾向は昔からあったが、最近では親が介入するからより厄介。
今年の夏も暑くなりそうである。
もう一つの現象は「内定者縛り」
企業側は新卒採用に獲得目標がある。
その人数を獲得することが人事部の役割になっている。
せっかくの内定者を他社に取られるわけにはいかないから、あの手この手で内定者を縛りにいく。
いわゆる「オワハラ」と言われるやつも発生する所以だ。
「そんなこと知るか!」と一蹴し、就職活動を継続できる学生は将来が楽しみだが、ほとんどの学生は「大人の圧力」に負けてしまうらしい。
社会人経験もない、ウブな学生を縛って何が嬉しいのか?甚だ疑問だが多くの企業が「新卒獲得目標」を掲げている(日経新聞にでてるね!)。
そうこうしながらも今年も10月の内定解禁の頃には8、9割の学生が就職先を決めていることであろう。
希望の企業に内定した人もそう出なかった人もとりあえずは一息。
とりあえず就活は終了する。
最近ニュースで目にしたのが「増加する、新入社員の離職」である。
入社して3日で離職するだの、新入社員研修が気に入らなくて辞めるだの、超早期退職が増えているらしい。
そう考えると「就職活動」とは一体何なのか?
採る側採られる側泣き笑いしながらの就活、いざ仕事が始まったら即退職!
これってなんか虚しい世界だね。
学生側に要求するのは酷かもしれないけど、もっと「仕事のこと」考えたほうが良い。
知名度や給与や休暇の取りやすさなどの見せかけの待遇に目を奪われるのではなく。
「何を学べる業界なのか?」「どういう能力が身につけられる会社なのか?」「一緒に働く先輩たちは魅力的か?」
そんな見方をしてみてはいかがだろう?
人生100年時代になって労働する年数は嫌でも増えていく。
若い頃に学んだ事は将来必ず役に立つものだ。
頭と体と精神を鍛えておかないと、長い人生を楽しく過ごすことができなくなるかもしれない。
どちらにしても自分の目で見て感じて「ここでやって見たい!」と思える企業に就職するべきであろう。
企業側もいたずらに内定者を縛り付けるのではなく「いろいろ見てから決めていいよ」くらいの余裕を見せて欲しい。
せっかく採用してもすぐに辞めたら身も蓋もない、採用目標を達成することに血眼になるのはそろそろ考え直した方が良い。
新卒者ばかりが採用ターゲットではないだろうに。
学生も採用担当者も、もっと冷静になって「何のために仕事をするのか?」を考えるほうが良いと思う。